開業のお知らせ…下山田 淳


              開業のご挨拶
                                   下山田  淳
 令和4年8月に新規開業いたしました、下山田淳と申します。
 開業から1年あまり、本来の業務以外の雑務に追われる日々でしたが、それもようやく落ち着いてまいりました。
 早いもので私が不動産鑑定士として実務に就いてから10年以上が経過しました。現在、不動産鑑定士の資格を取得するためには、短答式と論文式の試験に合格したうえで実務修習を修了する必要があります。実務修習は実施機関において案件を模擬的に評価して連合会の審査を受ける形で行われますが、その期間中は結構な頻度で課題をこなさなくてはならず、戦力にならないため体力のある事務所でないと実務修習は行えません。鑑定士試験には合格したものの、県内で受入先が見つからなかったため、東京の受入機関(日本大学)に通って鑑定士の資格を取得しました。晴れて資格を取得して地元に戻ったものの、資格を持っているだけで実務経験がない鑑定士では、なかなか修行先は見つかりませんでした。あちこち回った末に関根先生にご相談したところ、伝手もなくいきなり押しかけたにもかかわらず色々とご尽力いただき、舘内先生に拾っていただきました。舘内先生には何の経験もない自分に様々な案件を任せてくださり、何とか鑑定士としてやっていく目途が立つまで約4年半もの間、修業を積ませていただきました。先生方のご厚情にこの場を借りて深く感謝申し上げます。その後、株式会社資産管理協会においてさらに実務経験を積ませていただき、独立開業いたしました。
 昨今では鑑定士の高齢化、仕事の絶対量の減少、報酬の低廉化等、不動産鑑定業界にはあまり明るい話がなく、鑑定士試験の受験者数も減少し続けていると聞きます。私が実務修習を行った日本大学では希望者数の減少から、実務修習の実施そのものをやめてしまいました。また、近年は情報化の進展により、一般の方でもインターネット等で地価公示その他公的評価に関する情報、鑑定評価業務に関する専門的な情報を容易に取得できるため、不動産鑑定士に対する目も年々厳しくなっていると感じます。しかしながら、不動産は多種多様で常に変化の過程にあり、巷にあふれる情報を整理して的確に把握することは容易ではありません。不動産鑑定士の知見がそれらの情報を的確に把握するための一助となれば不動産鑑定士や業界に対する信頼も高まり、更なる発展が期待できるのではないでしょうか。そのためにも、不断の勉強と研鑽により不動産鑑定業界の進歩発展にわずかでも寄与できればという思いです。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。