会長挨拶
令和2年4月吉日
公益社団法人 栃木県不動産鑑定士協会
会長 鈴木 健司
公益社団法人栃木県不動産鑑定士協会第8代会長の鈴木健司と申します。
当協会は、栃木県内において唯一不動産鑑定士で構成される団体で、不動産鑑定評価制度を通じて、地域社会における公益的な貢献を果たすことを目的として活動を行っております。
社団法人として昭和61年5月に設立され、平成25年4月に公益社団法人へ移行し、平成28年には設立30周年を迎えました。その間、いわゆるバブル景気が起こり、そしてバブルの崩壊。失われた20年と言われる低迷期の間には、リーマンショックや東日本大震災を経験し、さらに令和元年10月には東海・関東甲信越・東北地方を襲った台風19号により栃木県の各所に甚大な被害がもたらされました。改めて、被災された方々には一刻も早く日常生活を取り戻されますよう心よりお見舞い申し上げます。
日本経済は平成24年に始動したアベノミクス効果により成長路線を取り戻し、三大都市圏の地価は全用途において上昇基調を強めています。土地価格の指標となる地価公示・地価調査等、公的な土地評価は不動産鑑定士の共同作業です。地価公示は制度化されてから既に50年が経過し、今後はITシステムを活用した様々な土地価格情報のニーズに対応すべく、当協会においても各々の会員が常に能力・資質の向上に努めなければなりません。そして不動産鑑定における人工知能(AI)との共存・可能性の検討は必須です。
不動産鑑定評価制度の発展と社会に貢献するための公益事業としましては、不動産に関する「無料相談会」を毎年春と秋に開催し、当協会事務局内において毎月1回の無料相談会を実施しているほか、「公開講演会」も開催しています。また、不動産に関連する資料の収集・研究等を行い、成果物を発表しております。公益社団法人栃木県宅地建物取引業協会と共同で行っている「不動産市場動向(DI)調査事業」はその一つです。近年、地球温暖化の影響で予想だにしない自然災害が多発しておりますが、昨年の台風19号被害に際しては、住家被害認定調査のため宮城県柴田町に会員5名を派遣し、災害対応委員会を発足させて災害及び昨今の新型コロナウィルス等の感染症に備えるべく対策マニュアルを作成しております。
今後も、公益社団法人としてこれらの活動を通じて県民生活の向上及び国土の健全かつ均衡のある発展に貢献していく所存です。